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株式会社ネクシィーズ

株式会社ネクシィーズ

近藤 太香巳

1967年
大阪府生まれ。
1986年
18歳の時にホームテレホンの訪問販売員となる。
1987年
19歳で「日本電機通信」を創業。
2000年
社名を「株式会社ネクシィーズ」へ変更。
2004年
東証一部上場を果たし、当時最年少の創業社長になる
2006年
ネクシィーズを事業持株会社へ移行
JAPAN VENTURE AWARD 2006
最高位 経済産業大臣賞受賞。
「営業力」が、御社の成長の原動力になっているのではないかと思うのですが、まずはその辺りのお考えをお伺い出来ますか?

 商売の基本は「一万円で仕入れて、二万円で売ることによって、一万円の利益が出る」これは商売の基本であるかもしれませんが、僕はそこからイマジネーションしません。
 商売というのはそんなことではなくて、“世の中にもしもこんなものが、こんなサービスが、こんな価格で出来たら、自分だったら絶対欲しいな、人々はみんな欲しいと思うだろうな”。その理想を叶えるためにどうしたらよいのかということに対して、脳みそがちぎれるぐらい考えていきます。そして、誰もが簡単にはできない「いかに重い設定をするか」ということが非常に重要です。
 例えば、一流の女優やタレントをコンテンツにしたビジネスモデルで、当社の電子雑誌は「旅色」をはじめ、現在5誌発刊しています。スタートしたのは2007年、今から6年前で、当時はまだiPadとかkindleも入ってきていませんでした。日本でサービスが開始されたのは2010年なので、僕は3年くらい先行したのかと思っていました。ところが、なかなか日本の出版業界が電子化に踏み切れない。従来のビジネスモデルに存在するしがらみを払拭できず、業界の動向がスロースタートだったわけです。
 また、インターネットには、有名女優やタレントが絶対出ないという傾向がありました。その理由は、美しく表現するクリエイティブな世界である雑誌と、ガチャガチャしたすぐにコピーされてしまうようなインターネットの世界とでは、融合出来なかったからです。それを、当社は初めてインターネットの世界に、美しいクリエイティブな世界を作り上げて、そこにウェブの利便性を組み入れたことにより、これまで登場しなかったドラマや映画で主役級の有名女優やタレント70名以上にご登場してもらっています。有料で販売している雑誌以上のクオリティと写真集のようなテイストで、読者は無料です。
 これまで、有名女優やタレントが出たくなるような演出をしてきました。一言で言うのは簡単ですが、非常に重い設定なんです。商売というのは「こんなこと絶対できない」というような重たい設定を、いかにクリアしていくかということが非常に重要だと思っています。

なかなかそれを実行するというのも大変だと思います。女優やタレントを登場させるだけでも大きな壁があると思いますが。
 「まぁいっか」という妥協は絶対しません。例えば、二流のタレントが登場する電子雑誌であれば簡単に発刊が出来たと思います。しかしながら、最高のものを創り上げるには、一流の女優やタレントを登場させることで、一流が続いていくものです。だから一流を登場させることが僕の一番のミッションでした。絶対に実現出来なかったことを実現させる。だから重たい設定にこだわるのです。
一流タレントを口説き落とすのには、ずいぶんと苦労されたのですか?
 苦労はしましたが、一つの答えを発見しました。例えば、女優やタレントさんに、商品広告のCM出演を依頼するとなると、ギャラが何千万円にもなりますが、anan、cancanなどのファッション雑誌では高額なギャラにはなりません。要するに女優やタレントさんには、自分をプロモーションし価値を上げるメディアと、人気があるからこそCM等でスポンサーがついているその二つの顔を発見したのです。
an an やcan canのような雑誌ですか?
 女優やタレントが美しく写真集のように表現され、自分のブランディングや価値を上げるツールになるような作り方をしようと思ったのです。
それを作る際のノウハウというのは、積み上げてきたものがあったのですか?
 ノウハウというよりはアイデア、つまり発想です。僕は発明家じゃないけど、発見家です。要するに、発明というのは「新しく生み出す技術的なもの」ですが、発見というのは「なぜ、みんな有名ファッション雑誌の表紙を飾りたがるのか」それに気づき、価値を上げプロモーションできるメディアにしたのです。つまり、今あるものを「進化させて新しく生まれ変わらせること」が発見なのです。
広告と連動しているようですが、雑誌としての採算というのはどうなのでしょうか?
 大手広告代理店は、ナショナルクライアントに対して優位にアプローチできますが、飲食店や宿泊施設などの店舗に対してはなかなかリーチが届きません。我々はそういうところへの営業が得意ですから、掲載料金を頂くことが出来たのです。また、景気に左右されにくいのも強みです。
 現在、掲載施設は2,527施設、今期末には3,300施設を超える見込みです。旅行電子雑誌「旅色」を皮切りに、楽天の三木谷社長と展開している「旅色Seasonal Style」や「GOODA」などを含めて合計5誌発刊しています。今後は「旅色」の海外展開や、様々なジャンルの電子雑誌を発刊していく予定です。
それはファッション関連ですか?
 次に発刊する電子雑誌について具体的には言えませんが、すでに3誌の創刊が決定しており、当社はジャンルを問わずどんな電子雑誌でも発刊できます。例えばインテリアや車、金融の電子雑誌も可能です。世の中にある様々な雑誌を電子化することが可能なのです。
いろんなアイデアがありますが、近藤社長がこれはやろうと決断をする基準は何ですか?
自分自身がワクワクできるかどうかです。
そう思えた場合は必ず成功してきましたか?
 成功してきました。フェラーリの携帯電話が良い例です。2000年にフェラーリの社長に直接交渉し、日本で初めてフェラーリオフィシャルライセンスの携帯電話を発売することができました。僕のライセンスが終わってからも、ヴォーダフォンやNOKIAがフェラーリの携帯電話を出し続けています。つまり、僕が成し得たことが、フェラーリのメジャーなライセンスになったわけです。そもそもフェラーリは、携帯電話でライセンスを出すという考えが無かったところへ、僕が企画から販売までワンストップで提案したのです。
これも「もし、イタリア名門のフェラーリから携帯電話がでたらすごいな!」って、ワクワクしたからです。
経営者は、常にアンテナを高くして、面白いものを探すような姿勢が必要なのでしょうか?
 商売には「作る」と「売る」の2つしかないのです。そして、ネクシィーズには売る力があります。そして、売るだけでなく、企画と営業がワンストップで出来るのが、当社の強みなのです。  当社は、ソフトバンクが何千億円もかけたYahoo!BBプロジェクトが立ち上がった時から、孫社長に依頼され、販売代理店として参画しました。結果、現在の加入数約400万人中、137万人を当社1社だけで販売いたしました。これは圧倒的な数字です。つまり、ソフトバンクがものすごい資金を投じてリスクを負う中で、我々は重要なポジションとして参画し、低リスクでビジネスを行ったわけです。それが当時のポジションでした。
 ですが、今の僕の考え方は違います。代理店事業は否定しませんが、この5年~6年間でやってきたのは「すべて独自の自社サービス」です。営業力と企画力があり、販売するスペシャリストとして、すべてをワンストップで実現させる。それが、電子雑誌だった訳です。企画力と営業力があると、いろんなことがやりたくなります。だけど僕は心の中に、決めている事があります。それは業界NO.1を目指せるビジネスしかもう勝負しないということです。
これまでの御社はNO.1代理店ですね?
 たしかに、代理店としてはNO.1ですが、それでは満足しませんでした。もちろん、それによって、東証一部に上場できましたし、いろんな方と一緒にビジネスが出来て良かったのですが、全て自社サービスではありません。これからは自社完結型のNO.1を目指せることしかやらないつもりです。
川上から川下まで、その業界でNO.1を目指すのが「電子雑誌」なんですか?
まさに、電子雑誌がそうです。
1社で一から十まで全て行うというのは、成長にとって重要なことなのでしょうか?
 紙の雑誌は絶対になくなりませんが、米国のNEWS WEEKも紙媒体をやめて、インターネットにシフトしました。タブレット端末やスマートフォンの普及が進み、さらにもっと加速していくことが明らかになった今、紙媒体を電子化していくことは、まさに新しい市場なんです。今まで無かった新しい市場でNO.1を目指すというのは非常に重要です。
 出版社というのは、本を作ってお金を稼ぐ訳ですが、そういうビジネスモデルを電子化したという発想ですか?
 まず、当社がおこなっているのは雑誌です。小説等の電子書籍をやるつもりは全くありません。旅の雑誌、ペットの雑誌、ウエディングの雑誌といった電子雑誌を発刊しています。当社の電子雑誌は単なる電子化ではなく、美しい表現で宿泊施設や飲食店、ナショナルクライアントの広告を掲載する、まさに写真集のようなテイストです。
常に広告を意識しているのですか?
 それもそうですが、有料雑誌の業界で活躍していたクリエイターに、無料の雑誌を有料雑誌以上のクオリティで作らせるわけです。しかも、読者はインターネットを通じて世界中にいけるわけです。翻訳機能を使えば何ヶ国語にも変換できるし、例えば海外の人が日本を訪れるときに、旅色を見ながら観光できるかもしれません。当社の場合、そういう世界を作れるのは、従来の出版社のように、本屋さんとの様々なしがらみを気にする必要が無いからなのです。
世界中の人に見てもらえるのは媒体力としても強いですよね。
 結局、インターネットというのは「利便性」が重要なんです。欲しい情報を自分で判断し、取りに行くものです。一方、雑誌というのは、情報をパッケージ化し、提案することです。「これどうだと思いますか」「こんな遊び方ありますよ」とか「こんなところがありますよ」というストーリーです。これをインターネットの世界で表現するのです。
真似されるというリスクや危機感というのはありますか?
 なかなか真似の出来ないポイントがあります。1つは、ここまで各芸能プロダクションと強力に提携している関係というのは他にはないということです。映画やドラマに登場する主役級の女優に、創刊号から出て頂いています。これはとても難しいことなのです。もう1つは、やはり「営業力」です。我々には、大手広告代理店では出来なかった、各地域の旅館やホテル・レストランの隅々にまでアプローチできる営業力があるのです。
他に注力している事業はなんですか?
最近力を入れているのはDNA関連のバイオ事業です。
ちょっと拝見させて頂きましたが、健康診断のようなものでしょうか?
 DNA検査自体は昔からありました。昔「太陽にほえろ」という刑事ドラマで、口の中を特殊な綿棒でこすってDNA鑑定をするというシーンがあったのです。
 現在、そのテクノロジーはものすごく進化して、DNAの膨大な情報をこの綿棒1つから解析できるようになりました。
 近年では「ITの次はバイオだ!」と言われるようになりましたが「バイオ」という世界は、医科学的な分野でなかなか障壁が高く商売になりません。ところが当社では、一生涯変わらないDNA検査結果とこれまで培われてきた、膨大な栄養学情報を組み合わせて、お客様1人ひとりに適した健康コンサルティングを行うサービスをスタートさせたのです。
 まず、DNAからはその人が生まれ持つ様々な体質が判明します。フルーツで例えると、キウイよりもバナナの方が体に合っているとか、実はお米(炭水化物)では太らない体質だとか、そういう詳細なことまでわかるのです。でもそれだけの検査結果を提供するのでは、他社との差別化にならないので、DNA検査というバイオテクノロジーに栄養学という昔からある膨大なアナログ情報を組み合せることによって、DNAからわかる検査結果とお客様自身に適したお料理の食べる順番、運動方法、エステティックサロンでの施術方法、最適なサプリメントなど、様々な健康コンサルティングを手掛けているのです。
 また、DNA検査をする上で、手間と時間がかかるカウンセリングを、簡単にしかも短時間でできるシステムを、約1年半の歳月をかけて完成させました。これによって、iPadやパソコンで、簡単にカウンセリングができるようになりました。当社はメインの販売先をB to Bでのエステティックサロンに絞り、サロンにプロのカウンセラーがいなくてもiPadで簡単にカウンセリングを出来るようにしたのです。
業者向けに作られた?
 業者向けに作りました。女の子達には、エステティックサロンに高いお金払っても結果が出る人と結果が出ない人がいます。これは、お腹に当てたほうが良い場合と、背中に当てた場合が良い場合と、人によって合う施術が違うからです。それがこのサービスで分かるのです。 そして本です。この本の中には全部入っています。栄養士も入っていたり、スポーツトレーナーも入っていたり、様々な人が入っている訳です。自分だけの本だから、誰ひとり自分と一緒の人がいない。だからすごい受けているんです。
それには、すごく開発コストがかかったのですか?
開発コストよりも、時間がかかりました。
DNA検査サービスの料金が収益になるのですか?
 そうです。エステティックサロンもそれが収益の一部になります。これは、サロンにとって新サービスになります。サロンのお客様にDNA検査を行って頂くことによって、ダイエットや美容に結びつくことになります。
これは御社だけのオリジナルサービスなのでしょうか?
 DNAを調べるだけというのはありますが、ここまでのサービスは他社ではやっていません。ある会社では遺伝子だけを調べて、それに適したサプリメントを提供しているところがあります。一方、当社では、iPadやパソコンでカウンセリングを行い、DNA検査結果と膨大な栄養学情報を照合させて、トータル的に健康コンサルティングを行っています。
代理店方式が良いのですか?
 簡単にiPadでカウンセリングが出来るようになったことで、全国に約3万店舗とも言われる、エステティックサロンへの展開をメインに考えています。もちろん、ある程度のDNAに関する基礎知識は必要なので、約6時間の勉強会を実施してサロンのスタッフに学んで頂きますが、これまでのような栄養士やプロのカウンセラーなどは必要なくなりました。
エステティックサロンもすごく助かりますよね。
 サロンのスタッフにノウハウを提供することで、ダイエット方法や運動方法、施術方法を最大限に活用頂ける。だから結果が出やすくなるのです。これはエステティックサロンのお客様にも喜んで頂けます。
これだけのサービスで、料金はどのくらいですか?
プランにもよりますが、3万~5万円です。
すごい安いですね!
ある病院では、100万円するところもあります。
このような新しいビジネス・事業のアイデアがどんどん出てこないと、10年20年、成長を続ける企業には、なかなかなれないものですか?
 2つあると思います。例えば、青汁や自動車のように、これを作り続けるぞ!それを発展させるぞ!というものもあります。音楽で表現すると「演歌」いわゆる「この歌だけでいきます」みたいな。それだけで大きくなる会社も当然あるわけです。一方、当社はヒットソングを次々に生んでいく「ポップス」なんです。成長できる理由は、企画から営業までワンストップで行える会社だからです。
これなら日本だけでなく、世界展開も可能ですね。
 まずは日本の市場です。現在、全国に約3万店舗の美容関連サロンが存在し、そうした業界の中で、当社のターゲットとなるエステティックサロンは1万~1万5千店舗くらいだと考えています。現在は385店舗のサロンと提携しておりますが、第1フェーズとしては、業界の5%を抑えようと計画しています。つまり、1,000~1,500店舗です。
急拡大されるのですね?
 はい、トップスピードで、まずは1,000店舗を目指します。その理由は、しっかりとエステティシャン向けに勉強会を開催しなければならないからです。お陰様で、その勉強会は常に満員です。そして、勉強会に来たエステティシャンが興味を示し、自分自身の為にDNA検査をするのです。要するに、お客様になるのです。これはとてもすごい事です。エステティシャンは、会社の上司に言われて勉強会に来たわけですが、通常であれば、商品を買ったりしません。これは商品力がある!と確信しました。実際に販売するスタッフが商品のファンになるということはすごいなと思ったのです。
エステティシャンも自信を持って勧められますね。
 はい、自信を持ってお勧めできます。サロンのスタッフがハイレベルなコンサルタントにならなくても、カウンセリングシステムを活用し、勉強会で身に付けた知識で十分です。
勉強会はどのくらい開催するのですか?
1回、約6時間の勉強会を毎月開催しています。
近藤太香巳社長が考案するビジネスは、上から下までキレイにキッチリまとまっていらっしゃいます。妥協は許さないということなのですか?
 妥協は許しません。飲食業で例えると、もつ鍋ブームが起きた時に、たくさんのお店が出店しますが、ブームが過ぎるとほとんどのお店が潰れてしまいます。ですが、どんな業界でも生き残るお店があります。なぜなら、徹底的に味にこだわって、ピカピカに磨き上げているからこそ、美味しいもつ鍋屋さんは潰れないのです。それと同じで、ビジネスでもほとんどの会社が倒産しています。100社中、10年間生き残れる会社は統計上6社程度。その中で戦っていくためには、ものすごいこだわりを持たないと生き残れません。経営者はこだわりと繊細さ、そして情熱を持たないといけないのです。
他に注力している事業はなんですか?
 現在、私が力を注いでいるのは「情熱経済人交流会パッションリーダーズ」です。
発足から1年10ヶ月で、既に会員数は850名を超えており、本会を日本最大の情熱ベンチャー連合にしたいという目標を抱くまでに成長しました。
そこにもビジネスの仕組みがある訳ですね。
 もともと僕は、いろんなところから講演の依頼を受けていました。19歳で起業し、最年少で東証一部に上場するまでの成功体験や挫折体験を語るのですが、皆さんに喜んで頂ける反面、名刺交換などはしますが、それで終わりでした。これまで僕に、交流会を作ってほしいという要望はたくさんありましたが、自分自身がセミナーを主催するとなると、膨大な手間が生じることを考え、踏み出せないでいたのです。
 そんな僕が、3.11の震災が起こった時に「日本経済全体を支えているのは中小企業だ!」「日本を元気づけていこう!」そう思い、交流会を発足したのです。こんな時に人は集まるのかという不安もありましたが、今こそ、起業家が立ち上がる時だ!と、2011年4月に発足しました。それが今、1年10ヶ月で850社を超えました。
 これまでの交流会というのは大きく分けて、2パターンでした。1つは、ホテルの宴会場で、著名な方のスピーチを聞いて、立食でご飯をつまんで、名刺交換をするというパターン。名刺の山は出来ますが、結局誰とも友達にもなっていないし、お互い顔も覚えていないので仕事にもつながりません。その代り、会費が安くて5,000円とか8,000円で参加できます。もう1つは、入会金が何百万円もかかり、月に10万円以上の会費を払って、VIPが集うサロンに行くというものです。サロンでは親密な交友関係が築けて、そこからビジネスが生まれますが、当然ながら参加できるのは経済的に余裕のあるVIPばかりで、アーリーステージの経営者は参加できません。
 でも、僕はビジネスの基本に重い設定をするので、自分だったら絶対に入りたいと思える交流会を、しかも低価格で実現してやろうと考えました。通常、交流会の代表に就く人は、本業のビジネスを引退して社会貢献で務めるのが普通ですが、僕はまだ現役の社長なので、今活躍している上場企業の経営者や先輩経営者を講師にお招きできるのです。要するに、ドリームメンバーを役員にすることができるプロデューサーとしての力がある訳です。そこで僕が代表理事となり、上場企業の若手経営者が理事に、それをサポートする役割の参事が45名、各界の大物経営者を特別顧問に迎えスタートしました。
 経営者は仕事が7割、8割ですが、お付き合いの関係上、2割、3割の遊びもあります。そこで、仕事も遊びも人生そのものを共有出来る会にしたいと長年思っていました。経営者にとっても、遊びは必要なんです。仕事だけガリガリやっていても、良好な人間関係は築けないですから。
 まず仕事面から言うと、当社の本社に最大150名ほど収容できるセミナールームがあります。このセミナールームを、会員には無償で貸し出しています。また、ネクシィーズ本社ビルの隣にあるタワーオフィスビル最上階にゲストルームがあって社員が自由に使えるのですが、これも無償で提供しています。
 東京 恵比寿にQ.E.D.CLUBという会員制レストランがありますが、これも会員権不要で使ってもらえるようにしましたし、理事がもっているクルーザーや別荘など、既に持っているものを会員の皆で使ってもらえるようにしました。このように、普通では出来ない重い設定をクリアしていった訳です。集まれる場所があるからこそ、ビジネスのマッチングも出来るし、皆で語り合うことも出来る。仕事や遊びを通じて絆も生まれるんです。
 具体的にどのようなことをやっているのかというと、一番人気なのはビジネスマッチング会です。毎回20名程度で集まって、お互いのビジネスをプレゼンテーションし合ったり、会員同士を引き会わせて、ビジネスのコーディネートをするというものです。また、会員企業の社員に対して、新人研修会を開くパッションアカデミーもあります。僕が講演をして仕事とは何かを語ってあげるのですが、新入社員と経営者が涙を流して絆を深めます。こういったものも、僕が無料で講師をすることができるからです。
 あとは、大型クルーザーを出して、ジェットスキーやバーベキューで思いっきり遊んだり、みんなできものを着て料亭にご飯を食べに行いったり、元ボクシング世界チャンピオンの会員をコーチにボクシング部会を作ったり、ジョギング部会で喋りながら皆で皇居を走ったり、大勢でゴルフコンペも開催したりしています。
 また、ドリームミーティングと言って、すぐには取りづらい僕とのアポイントを、パッションリーダーズのメンバーだったら優先的に時間をつくるようにしています。30分間僕と真剣にミーティングするのですが、落ち込んでしまうかもしれないと思いながらも、仲間なので、そのビジネスはもっとこうするべきだとか、それは止めておいた方がいいとか、本気で思うことを伝えています。それを月1万円の会費でやっているのです。
すごく豪華な内容ですが、ちょっと安すぎて、儲けにならないのではないですか?
 儲けになるとか、ならないとかよりも、もともと理事が持っているものを提供しているだけです。別に僕はこの為だけにサロンを借りた訳でもないですし、すでに会社や個人で持っている施設を無償提供しているのであって、別にお金はかかっていません。しかしながら、通常このレベルの交流会を作ろうと思ったら、月額1万円では絶対に出来ません。それこそ何百万円の入会金で、何十万の会費を支払うパターンになると思います。
儲けたいというよりも、日本を元気にしたいという思いなのですか?
 会員数が増えれば、もちろん収益を生むことになります。会員に対して、当社が仕事の依頼をしているだけでも五千万円以上となっており、その他を含めると1億円以上のビジネスマッチングが成立しています。見ず知らずの企業に仕事を依頼するよりも、会員と仕事や遊びを通じ、人柄を知ることでこの人に任そうと思うようになる訳です。そして「パッションメンバー価格」として、他では出さない特別な価格で会員同士が取引をするのです。それと、僕は政治の世界や様々な大手企業の代表と話せるようになり、いろいろな所にリーチが届く立場となりました。そこで「日本最大の情熱ベンチャー連合」を作ろうと思っています。そうなると、会としての力が増していろんな意見が言えるようになると思うのです。いつかは、総理大臣が自分と同い年の人が就任する日が来ると思いますが、その時に自分が意見を言える立場でありたい。「もっとこうするべきだ」「ベンチャー企業はもっとこれを求めている」と言えるように。そして、会員のみんなが成長し、ビジネスが生まれ、友人もできる。仕事も遊びも本気で楽しめれば良いですよね。
最後に、今後の展開を教えていただけますか?
 電子雑誌の話に戻りますが、当社はこの電子雑誌で業界NO.1を目指しています。「旅色HAWAII」や「旅色SINGAPORE」など、海外を案内する電子雑誌を発刊していくことに加え「旅色」に翻訳機能を活用して、世界中の人々に日本を案内できるサービスを展開していきます。さらに、様々な企業と提携し、新しいジャンルの電子雑誌も作っていきたいです。また、DNA健康コンサルティングのバイオ関連ビジネスも世界展開を含めて、様々な事が可能になってきます。まずは、日本のマーケットでNO.1を確立し、今行っているビジネスをピカピカに磨き上げていきます。

Company Data

株式会社ネクシィーズ

業  種

・ブロードバンド事業
・ソリューションサービス事業
・文化教育事業

設  立
1990年
資本金
23億2,358万円
売上高
75億4,000万円
(2012年9月期実績)
住  所
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町20番4号
ネクシィーズ スクエアビル
URL
http://www.nexyz.co.jp/

Corporate website

株式会社ネクシィーズ

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